全仏テニスで話題になった錦織vsマレー戦における主審が下した「タイムバイオレーション」問題
状況は次の通り(テニスディリーの記事)
アンディ・マレー(イギリス)は、サービスの準備をしているときに自分にタイムバイオレーションを与えた主審の決断に困惑させられた。
主審のカルロス・ラモスがタイムバイオレーションを宣告したとき、マレーはサービスのトスを上げているところだった。
「ボールのトスをしくじったあとに警告を受けた者など、ひとりも見たことがなかった」とマレーは言った。
「僕が遅すぎるペースでプレーしていたというのはあり得る。コート上に時計があるわけじゃないからわからないけどね。僕らにとって、はっきり知るのは不可能だ」
◆そしてこの怒りが起爆剤となり、マレーに火が付いたといわれています。結果はご存知の通り・・・。
さて、この問題を橋本が「私的」に解説いたします。
まずこの場合の「タイムバイオレーション」ですが、コード オブ コンダクト(code of conduct)によれば
・アウトオブプレーになった瞬間から、次のポイントの第1サービスを打つまでの時間を最長20秒とする。
解釈の違いもありますが、「サービスを打つまで」をトスしたボールがストリングに当るまでと見るなら、
試合中に結構な頻度で時間超過している場面があります。
マレー戦に限らず、トスアップ中に警告は初耳です。
一般的には「サービスのモーション」に入れば、ストップウォッチを止めます。(打たなくてもok)
どの時点かというと、ボールをついた後にトスを上げますが、トスを上げる前に一瞬ピタッと止まります。
その瞬間がモーションに入ったと見なしています。
もし今回の行為が、ダラダラと試合を遅らせる為のトスやり直しなら問題です。
主審の責務は的確なジャッジだけでなく ・試合をコントロールする ・試合をスムーズに進行すること。
そしてもう一つは、演出することも主審の役目です。
この観点からだと今回の判定は、ちょっとどうよ・・と思います。
余談ですが、現役時代の修造選手のボールつきをご存知の方からすれば、すべて問題なしとなります。
修造選手、打つまでが長~い!! あれでもお咎めなしでした。(当時は25秒ルールかな)