◆正しいメンタルトレーニングの中で、今回はイメージトレーニングについてです。
イメージを使うことの効果について、イメージと脳の関係から解説しましょう。
何かしらの運動をイメージすると、脳の運動野や体制感覚野といわれる領域が活動することが明らかになっています。
指の運動をイメージした場合は指と関連する領域が、足の運動をイメージした場合は足と関連する領域が活動することが分かっています。
またそれに同時に、イメージに関連する部位の筋肉にも放電が起きることもわかっています。
つまり、一見ただ座っているように見える人でも、運動をイメージしている人は実際に運動しているときと同じように、脳と筋肉が反応する。
イメージしたときは実際に運動したときと比べて、脳の活動量は3割程度だとされています。
だからイメトレすると頭が疲れるのですね。
イメージするだけで体が反応するということは、実際に体を動かして練習ができないときでも、練習の効果が得られるようになるということです。
雨の日はイメトレでレベルアップが可能になりま~す♪
<イメージを用いる場面とその目的>
イメージを使う場面は、大きく分けてふたつ。 a)練習のとき、b)試合のときです。
a)練習のときのイメージ
練習の場合、その目的は主に技の習得です。
たとえばサービスを練習するとき、実際に打つ前に、理想的なトスアップや体幹のひねり戻しからラケットの振り出しをイメージはます。
そうすることで、理想的なイメージと実際のサービスとのズレを修正しながら、技を磨いていきます。
b)試合でのイメージ
試合の場合、その目的は主に自信の向上や不安の減少など、緊張状態のコントロールです。
試合直前に緊張しないように、いつも通りプレーしている自分をイメージして落ち着かせたりすることがこれにあたります。
<イメージの種類>
イメージは、その描き方によって大きく分けてふたつ。
a)運動をしている自分を客観視する「外的イメージ」
テレビに映った自分を見るように、自分を第三者の目線からイメージするもの
b)運動している自分を主観的に想起する「内的イメージ」
相手やボールの動きを自分の目で見るように、自分の筋肉の感覚を感じるようにイメージするもの
効果的にイメージトレーニングをするときには、この2つをうまく組み合わせて使うことが重要になってきます。
★外的イメージと内的イメージを使い分ける
①うまい人のお手本を見て、外的イメージを作ります。
②コーチの指摘などで動きを矯正しながら練習して、自分自身がうまくいったと思うときの感覚を内的イメージにします。
③あとは内的イメージと外的イメージをすり合わせながら、完成するまで試行錯誤していきます。
実際のトレーニング法は別途ご案内する予定です。
記事の出典は、学術協力研究員(スポーツメンタルトレーニング指導士)河津慶太さんの文献を参考に記載しています。