「ラケットを最後まで振り抜く!」
必ず耳にしているフレーズですし、とっても大切なことです。
しかし、なんか違うんだよなあ・・・ってことはないですか?
アドバイスしている人は「フルスイングで加速させて、速いボールを打つ」
または「スイング軌道を一定にさせて、安定したボールを打つ」ことを表現しているのか。
ではちょっと立ち止まって、少し考察してみます。(あくまで私見の域です)
アドバイスを分解すると「①ラケットを、②最後まで、③振り抜く」の3つフレーズです。
①ラケットを
遠心力を利用して最終的にラケットを振るわけですが、肝心なのは触覚としてのグリップです。
手のひら(グリップ)で遠心力を感じねばなりません。
グリップが身体の近く(腹部くらい)から-遠く-近く-遠く。速い-遅い‐速いの順で加速させます。
意識はラケットではなく手のひらです。骨格・関節の延長線上にラケットがあるのです。
ラケットは道具、意識は手のひら(グリップ)にあることが大切です。
②最後まで
大きなフォワードスイングを指していると思います。
ベースライン同士のストローク戦もあれば、大きなスイングとなります。
しかしボレー対ストローク戦であれば、ベースライン戦のような大きなスイングとは限りません。
非常に小さく、ボクシングのジャブの様なコンパクトスイングから繰り出すパンチボールも要ります。
テニスのスイング動作は作用(テークバック)・反作用(フォワードスイング)で成立します。
最後まで!とは、フォワードスイングの最終部分を指しています。
これも身体で意識してください。大きさはケースバイケースで、小さく止める最後もあります。
③振り抜く
反作用(フォワードスイング~フォロースルー)への最終段階
動作の完了を意味する振り抜きは、フォームの完了ではなく筋(きん)の弛緩(しかん)です。
ラケットを振り抜くだけの解釈ではなく、筋力が緩んで脱力することを意味します。
ちょうど脱力して元の構え(レディーポジション)に移行している状況でしょう。
いかがでしょうか?
このように身体意識や運動生理学的が結びついて成り立っています。
これを理解していただけると「ラケットを最後まで振り抜く!」の意味が解るかと思います。
ラケット持たずに素振りすると解りやすいかも・・・♪
ぜひとも身体意識を高めていってください。テニスが変わります。
※参考として運動別身体意識の部位
ボクサーは手の甲、サッカーは足、スキーヤーは足底筋や骨、相撲は腋や腰の意識が高く
そこから他の身体意識を導き動作する。
テニスはどこか、グリップ-手のひら(握り)から他の身体意識を導き動作するのです。