前回に続き、雑誌から学んだことと自分の経験を重ねて掲載します。
◆どんな時に対戦相手と自分との「テニスの質」を感じるだろうか?
以前指導していた神戸ベイシェラトンホテルでの出来事
会員の方が元ATPランカーのドイツ人を連れてテニスを楽しまれていた。
「橋本さん、彼のサーブ受けてみる?」の言葉に一瞬躊躇するも、ジュニアレッスン前なので
良かろうと無謀にも子供の前でチャレンジした。
ちなみに彼は身長190センチオーバーの左利き、だけどテニスはまるっきり3年ぶり~
何とかなると挑んだ。が、全くラケットに当らない。見たことないスライスの曲がり方。
跳ねてから身体に入って来る。空振りしたラケットで危うく自分の鼻を叩きそうになった。
彼の練習相手はB.ベッカーだったと後から知らされる。ATP世界ランクは100位前後だったと
テニス辞めようかなと思った・・・。
また大学の先輩(元インカレの社会人選手)が、S.エドバーグのヒッティングを頼まれた話
あのキックサーブは想定以上に跳ねて、バックハンドの頭上を何度も抜かれて全く触れない。
テニス辞めようかな・・・「世界レベル」のテニスに触れた話
職業コーチになってからも懇意にしていただいた沢松豊氏(奈生子さんの祖父)からは、
家訓の「100本打ったら101本返せ」をいつも酒席で拝聴していたせいでしょうか、
「古いんじゃない?」とやや懐疑的 それって沢松和子さんの時代でしょ。
守りのテニスよりも、攻撃して取られてもエースで取り返すテニスを理想に取り組んでいた。
コーチ指導講習会では、海外から有名コーチを招待して講義を受けるが皆様同様に
「ミスしないことが大切」「CONSISTENSYが重要だ」との意見。
「えっ、沢松氏の家訓再来?」それって古くないの、世界はスピードでしょ。
時は流れてレディーステニスに特化していく頃、試合会場でたくさんのプレーを観戦していて
「ミスを減らすこと、イコール守りのテニス」ではないことが解ってきた。
ネットに出るから攻撃的で、ベースラインに留まることは守備的という訳ではない。
ハードヒットが攻撃的で、ロビングが守備的という訳でもない。
どちらがいい(優れている)とか悪い(劣っている)とか言えることではない。
自分のプレースタイルの中で、ミスを減らしながらよりアグレッシブ(攻撃的)にプレーすることが
「自分のテニスを磨く」ということが解ってきた。
ある時「相手は返球されるだけでも嫌がるよ。いい球打とうと思わずいつもの球で充分ね」
そのアドバイスを胸に閉って気楽に試合やったら、朝日レディース兵庫県予選で第4位!
「あと一歩で代表になれたのに悔しい」とのコメント
意地悪な質問をぶつけてみた。「代表になった第3位と二人の違いはなに・・・?」
「私たちより第3位、第3位より準優勝者、その方たちより優勝者の方がミスが少なかった。」
あらためて「質の違い」を本人から教えていただいた。
その後彼女は、見事に「兵庫代表」になられたのは言うまでもない。
◆「ミスを減らすこと」の重要性がこの年になってより身に染みる。