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スタッフブログ

こどもへの教え込まない指導とは?

ジュニアの指導でどうしても当たる壁に「どこまで教えるか」問題です。

ここに面白い記事があるので一読してみてください。

テーマはキューバ野球です。スポーツの違いはありますが、育成の考えがうかがえます。

 

野球強豪国のキューバでは発育発達に合わせて習得するスキルがガイドライン化されています。

ご存知の方は少ないと思いますがキューバは国策として組織的、科学的にスポーツの強化を図っており、野球も強化種目となっています。

その強化システムでは、選手の選抜育成システムに加えて指導者養成システムも完備されています。

有能な野球選手を選抜し育てるために指導ガイドラインとそれに従い指導する指導者養成をおこなっています。

そのガイドラインの中に例えば年齢と体力レベルによって守備範囲が定められています。

守備範囲が広がればそれだけ一塁への送球距離も長くなったり無理な体勢から投げたりしなければなりません。

その結果、フォームを崩したり、さらにケガにつながったりします。

このようなガイドラインを設けるのも身体形態や体力などの成熟度合いに合わないスキルを教えようとすると、発育発達やパフォーマンス構築の阻害やケガにつながる恐れがあるためです。

指導者の好みや勝手な考え、無謀な指導で将来性のある選手を潰さないための仕組みでもあります。

■子供の可能性を残すこと

このように考えると若年層でスキルを完成させる必要はなくなります。

ここが「完成させない」ことが指導のポイントである理由です。完成させてしまうと変化に対応できなくなります。

若年層で習得したフォームは,小学生レベルでしか通用しないスキルや癖の着いたフォームなどと言えます。

そしてスキルの組み替え、言い換えると高度なスキル習得が必要になったときに組み替えや習得のために,その基礎となる運動スキルや運動体験が求められます。

これらは型から「はみ出す」ことで得られる体験です。

特定の投げ方ばかりをするのではなく、さまざまな投げ方や異なった物を投げることが重要です。

サイドスローやアンダースロー、非利き手側、投げる物に回転をかけて投げる、またボールの形状、さらにボールだけではなく石ころ、フリスビー、ブーメランなど。

さまざまな運動体験を持っておくことで、その運動がスポーツの専門的スキルに転化したり、コツやカンが新たなスキル習得の手助けをします。

成長がひと段落して、身体形態変化が落ち着くまでは、いつでもスキルを変えられるようにゆる~い型の中にあるイメージです。

このゆる~い型が「教え込まない」「はみ出す」「完成させない」です。

そして発育発達がひと段落し、競技レベルを高度化させる時期が来たら一気に完成させられるようにしておくことが肝心です。

指導者、保護者の皆さん、若年層の段階でキャンバスの全てを塗りつぶす必要はありません。

白紙の部分をずいぶん残しておくことが子供の「成長可能性」なのです。

 

ついつい自分の色に染めてしまいたくなりますが、ここがぐっと我慢なんでしょうね。(橋本)

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